朋有りデンマルクより来たる

前回の記事「世界は上勝を見つけた」は多くの方がシェアしてくださり、
WEBだけに留まらず徳島新聞にも寄稿させていただけることになり、
広く多くの方に読んでいただけ、本当に嬉かったです。

その後、町内ではあんなこと書いて大丈夫?と心配されることもありましたが(笑)、
本当に多くの方が声をかけてくださり、中には、新聞記事を手にわざわざカフェに足を運んでくれ、意見交換に来てくださる方もおられました。

この記事を読んでなにかを思ってくださった方が、
少しずつでもそれぞれの立場でよりよい未来を創っていけるよう、
私自身も含めて、みんなで一歩を踏み出しましょう。

あー、やっててよかったクラシカル。

さて、今回はこの方のお話。

デンマークから上勝に短期滞在中のカトちゃんこと、カトリーヌです。

笑顔がキュートすぎるカトリーヌは、建築を学ぶ24歳。お料理、編み物、いろんなことができる才女。

数ヶ月間上勝に滞在するので、絶賛お仕事募集中ということでカフェを手伝ってもらっていたのですが、先日はそのカトちゃん主催で、デンマークの家庭でよく食べられるというライ麦パンの教室を開催しました。

ライ麦パン教室。日本であまり手に入らない食材は、もち麦やゆこう酢などに置き換え、ローカルな材料にこだわりました

集まってくださった皆様とともにパン作りを通しながら、
デンマークの文化や若者の考え方などについてもお話してもらい、
楽しい会となりました。

ライ麦パンで作るオープンサンド。パンが見えなくなるまで具を載せるがルール。

このカトちゃんが上勝へ来たきっかけが、
デンマークのフォルケホイスコーレと言われる学校で、
上勝町からの留学生と出会ったことがきっかけなのですが、
この学校の話が聞けば聞くほど面白いんです。

こちらのWEB記事によると、

「フォルケホイスコーレ」は、デンマークで生まれた全寮制の成人教育機関である。原則として17歳半以上であれば、国籍・人種・宗教を問わず誰でも入学でき、試験や成績評価などは一切ない。

哲学や政治、音楽、アート、デザイン、スポーツなど学べる内容はフォルケホイスコーレごとに異なるが、民主主義的思考を育み、知の欲求を満たすための場であることは、どのフォルケホイスコーレにも共通している。
デンマーク生まれの大人の全寮制学校「フォルケホイスコーレ」留学体験記

この学校では、生徒は全寮制で生活をともにしながら、
文学、語学、音楽、環境、哲学、スポーツ、芸術など、
幅広いテーマの中から自分の好きな科目を学ぶそうです。
留学生も受け入れており、世代や国籍さえも混ぜ合い、
多用な文化や価値観を持つ人々とともに学び、
自分自身のこれからを考えるための教育機関。

驚くべきことは、こんな素敵なコンセプトを持った学校を、
政府が支援しているため非常に安価で学ぶことができるということ。
文系学問を軽視し、実学的な学問のみを重視していこうとする我が国とは大違いです。
また、日本でも転職こそもう珍しいものではなくなってきましたが、
高校や大学を卒業してからは、多くの人がもう一度学んだり自分を見つめ直す
機会がなく、定年まで働く社会です。
ある程度の社会経験を積んだ上で、もう一度自分の事を見つめ直せる学習機会が、
国としてきちんと用意されている北欧の教育機関は、やっぱりさすがです。
こういう機関が存在することで、生きることに悩んだり苦しむ人が減るのかも。

・・・と、ここまで考えてみると、
これって今私達が上勝でやっている生活にとても似てるような気がします。

地域でずっと続く手仕事を教えてもらったり、

[blogcard url=”http://rdnd-kamikatsu.com/webmaga/2018/12/24/hoshigaki/”]

様々なバックグラウンドを持った人が身近にいて多用な知識を教えてもらえたり、

宇宙のことならこの人に聞け、昔は宇宙飛行士を目指していたパンゲアの””のの”さん

色んな分野で活躍する第一線級の人の話しを聞く機会が身近にあったり、

長く環境問題の第一線で活躍されている枝廣淳子さんの講演会

一流の音楽を身近で聞けたり、

徳島が生んだギタリスト、いまや世界で活躍する徳永くんの小さなコンサート

世代を超えた仲間と一緒に料理したり朝まで飲み会したり、

あ、すでに上勝ってフォルケホイスコーレかも。

私は、地域は地域が存続しなければならない理由を、
常に考えるべきだと思っています。

好きな場所に住みたいという権利は守られるべきですが、
不便なことはあるとはいえども、日本経済が縮小していく中で、
これだけの生活インフラが守られている責任を、私達はどう捉えるのか。

そのひとつの答えが、地域が日本社会におけるフォルケホイスコーレ的役割を果たすことにあるのかも。ということを確かめにも、次の冬はデンマークへ行こう!

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