上勝の歴史が楽しく読める!上勝町部落小史とは。
「四国って南国だと思ってましたー!」
なんておっしゃる方がたまにいらっしゃる。
なぜだか四国は温かい場所だと想像するようです。
(太平洋側にあるから?)
上勝の現実はとても寒くて、
11月に入った今日、日中の気温は22度と過ごしやすいものの
朝晩は冷え込み、ストーブにいつ火を入れようかと思っているほどです。
とはいいつつ、秋が深まっていく様子も楽しみな今日この頃。
秋になれば食欲も増し、いろんなところにも行ってみたくなる。
そしてなんだか、無性に本が読みたくなる!(はず)
そんなあなたに、わたくし東がおすすめするのは
「上勝町部落小史」という上勝の歴史をまとめた本。
今日はその内容を少しだけご紹介します!
「上勝町部落小史」ってなんだ?

上勝町という町の誕生20周年を記念して作られた上勝町部落小史。
上勝町という町は昭和30年7月20日に高鉾村(徳島市内よりの地域)と
福原村(現在の上勝町役場がある奥の地域)の2つの村が合併してできた町です。
上勝町部落小史は上勝町ができて20周年を記念して
昭和50年9月に発刊された書物で、当時の町長は
「我が郷土上勝町も成人式を迎えたわけであります。」という言葉から始めています。
一部の人には有名なこの部落小史。
読めば読むほど興味深いこの本について全てをご紹介することは難しいですし、
ぜひともお手にとって読んでいただきたいのですが
私自身が関係する部分だけを今回ピックアップして
皆様にこの本のおもしろさをできる限りお伝えしたいと思います!
地名の由来やしきたり、方言などが盛りだくさん。
部落小史は各集落ごとに古文書を元にして様々な内容がまとめられています。
今日はまず、私の父方の実家のある市宇という地域について内容を見てみましょう。

いつも人に話す時には「市場の市に宇宙の宇と書いて いちう です。」と紹介していましたが…。
最初に書かれていたのはこの地域の起源について。

昭和50年の時点で400年前には市宇という地域に人が住んでいたと書かれています。
そして衝撃なのが名前について。
「古文書には一宇とかき、一軒の家から始まったという事から
一宇と書くのが正しい様に思う。」
え、市宇ちがうん?!と、初っ端から衝撃を受けながら
読み進めると部落のしきたりというタイトルのついた項目が出てきました。
そこには…

市宇の「部落のしきたり」。
一、一家倹約はしなければならないがけちになりすぎてつきあいを欠く様なことがあってはならない。
など、この地域で生きる上の心得が書かれていて
しきたりに反したものは家に閉じ込めて
家族が更生させなさい的なことが書かれています。
書き方がなんとも恐ろしいですが、
小さな地域でみなが仲良く協力して
生活していくためにこういった心得を定めたのでしょう。
今の私たちにとっても学びがありそうです。
次は方言について。
蔭行・日浦という地域の中に書かれている各種方言の一覧。
人間関係、衣食住、林業関係、農業関係、動物関係、植物関係、人物関係、自然関係、動詞関係などなど…。
それぞれの関係性において上勝ではなんて言うの?という内容がが記されています。

例えば私もよく聞く、使うものだと
「きにょう(昨日)」、「ようさ(夜)」、「がいにする(手荒くする)」、「くたぶれる(疲れる)」なんていうのがあります。
上勝の方言ってどんなのがあるの?
と聞かれることもあるので、こちらの項目はそんな時に役立ちそうです!
お次は秋祭りのことについて。
上勝町では10月に入ると各集落で秋祭りが開催されます。
私が現在暮らしている藤川という地域は
毎年10月20日に宵宮、21日に本日(ほんび)と決まっていて
その際にお神輿を担ぎ、大太鼓や鐘、小鼓などが決まった拍子で叩かれます。
宵宮には豪華な花火が上がるので、見た事のない方は来年ぜひお越しください!!
さて、そのだんじりの拍子がこちら。

…呪文です。
一見すると解読不能でなんなのか全く分からないのですが、
この地域の子供達は小学校高学年になったら
10月1日から本番まで毎日練習があり、徹底的にこの拍子を覚えます。
私も小学生の頃は「チャッポポ」という名前で呼ばれていた
小鼓を担当させてもらったので今でも拍子を覚えているし、
練習したあの頃の毎日を懐かしく思い、毎年この拍子を聞くとワクワクします。
音というものは記憶を止めるのに大きな役割を果たしますね。
その他、いろんな伝説や言い伝えがたくさん!
どうでしょう?
部落小史のおもしろさを伝えられていますでしょうか?
最後にご紹介するのはいろんな地域でそれぞれ書かれている伝説や言い伝えについて。
カフェ・ポールスターがある福原という地域については以下のような伝説が書かれています。

カフェから歩いて5分ほどの「天乞の滝(あまごいのたき)」は
昔大きな蛇が住んでいたので魚釣りをするのを禁止されていたのだそう。
また、ある家の女将が蛇を出産したという話も…。
「右の伝説があり人々は不可思議に思って居る。」
って最後になんだその感想は!!とツッコみたくなる部分も多々あります。
最後は私が一番おすすめする「おふなたさん」について。

なくし物を出してくれるありがたい神様がいます。
私も何度もお世話になっております…。
直近だと4年くらい前でしょうか。
家の鍵を無くして1週間ほど困り果てておりまして、
最終手段でおふなたさんにお願いしましたところ
夢の中に鍵がある場所が出てきまして、
夢から覚めてそこを探すと鍵が出てきたのでございます…!!
ほんとよ!ほんと!!
なくし物が見つからない方、お試しください。
おふなたさんにお願いして願いが叶ったら
必ずお礼をしなくてはいけませんのでご注意を!
いかがでしたか?
みなさんもぜひ上勝に来た際には読んでみて、
また新しい視点で上勝を見てみてください!



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