「素材」と「ゼロ・ウェイスト」という話。

暑い日が続きます。
キンキンに冷えたお酒が、仕事終わりには美味しい季節ですね。
さぁ今日もやりますか!

と、今日はお酒の話ではなく、注目していただきたいのは「素材」の部分。
今日は「素材」と「ゼロ・ウェイスト」について書きたいと思います。

同じものでも、素材の違いでどう違う?

みなさま、最近何に感動しましたか?
私、あずまはですね、どちらかというと感動しやすいタイプでして
夫からはいつも感動の沸点が低くて引かれることがあるんですけれども、
そんな私は冒頭の写真に登場するお酒の素材に最近感動しました。
私はもともとこのお酒が好きだったのですが、びんで売られていることが一般的で、

「美味しいんだけれどなぁ…。びんなんだよなぁ…。」
と、いつも少しの罪悪感を抱きながら飲んでいたのです。

びんだと、おしゃれだしきれいなんですよね。高級感もあるような気がします。
雰囲気のいいバーやクラブ(行ったことないけど)で出ているイメージです。
しかしながら、重いし、何よりも「リサイクルにお金がかかる素材」なのです。

もう何度も何度も何度もお話してきましたが、上勝町は日本で初めてゼロ・ウェイスト宣言をした町で、2020年までに町内から排出される焼却・埋め立てごみをできる限りゼロにしようとごみの細分別化と資源化に取り組んできた結果、現在では45種類にごみを分けています。
詳しい話は最近できたゼロ・ウェイストポータルサイトをご覧ください。

その中で、びんは現在4種類に分別されています。
透明びんと茶色びんとその他の色のびん、一升ビン・ビールびん。
他の分別についても知りたい方は「上勝町 分別ガイドブック」を参考に。

そして注目いただきたいのはこちら。

上勝町 分別ガイドブックより

右上の赤枠のところ。
これは、リサイクルにお金がかかる物につけられています。
ということで、びん類は一升びん・ビールびん以外はリサイクルにお金がかかる素材となります。びんは「拡大生産者責任」の対象でもあるので、そのマークも入っていますね。

ということで、私はお酒を飲みながらもなんだか罪悪感を感じていたのですが
先日、夫がこのお酒の缶バージョンを買って来てくれて。

「えぇぇぇぇぇぇーーーーーーー(゚Д゚≡゚Д゚)マジ? てるみ感動…!」

↑こんな感じでした。
好きなお酒が罪悪感を感じずに飲めるなんて…!!
ちなみに缶は洗って乾かしてから、アルミとスチール缶で分別して出すのですが
「有価資源」という集めれば業者さんに買い取ってもらえる資源になります。
なので、より良し。

製造元はどうやらアウトドアにも持って行きやすいようにと考えて缶バージョンを作ったようなのですが、資源化しやすい素材が嬉しいというお話でした。実際に商品作りをしている企業と、上勝町とがコラボできたら面白そうなんですけどねー。

*拡大生産者責任
使用後の製品回収や再資源化の費用を、製品コストとして生産者に負担させる考え方。製品に加わったコスト削減のため、生産者に環境負荷が少なく再利用できる製品の開発や普及を促し、ごみ減量や再資源化を進める目的。
製品の使用が終わったあとまで生産者責任を拡大するので拡大生産者責任と呼ばれている。

使い続けることは、ひとつのゼロ・ウェイスト。

缶のように消費するものであっても、より良くリサイクルされる素材という話もあれば
目的に応じて使い続けられる素材のものを選ぶことで、使い捨てのものを減らすという考え方もあると思っています。
それを感じたのは、カフェの容器を最近変えてからです。


ガラス容器でのケータリング。季節の地元素材で作ってます。内容はその時期の野菜によって変わります。

前にHOTEL WHYでの宿泊体験記を書きましたが、最近ではちょくちょく宿泊のお客様からの晩ご飯のオーダーをいただくことがあるので、私たちなりにごみを出さないケータリングの方法を考えてガラス容器に変えました。
びんの欠点としてあげたように、ガラスも重いし壊れやすいのですが、お客様がゆっくりと地元の食材ごはんを食べてもらえるよう、この場合は「おしゃれさ」を優先してガラスに決めました。

その結果、私たちも普段からガラス容器を保存容器としてカフェで使う機会が増え、これまで使っていたプラスチック製の容器よりも、使う時にちょっと嬉しく丁寧に使うようになりました。「なんだかガラス容器、いいよね。」そんな風にスタッフと話すこともあります。

「容器」という使う目的が一緒でも、素材によって受ける印象が違う。
なかなか面白い体験です。

今日は素材の話がメインですが、もちろんデザインも重要だと思います。
先日受けた大学の講義でデンマークという国の取り組みについて知る機会があったのですが、その中で「デンマークのデザイン」という話が出てきました。北欧の雑貨や家具、建築などって美しいと感じますが、それには基盤となる要素に合理性とアプローチについての要素を合わせて考えることで「デンマークらしいデザイン」を保っているという話でした。

Danish Design DNA

基盤となる項目には「シンプル」「事実に基づいていること」「長持ち」「専門的な技術、自然素材」などがあって、その他は「良質さ」や「ユーザードリブン」などがありました。デザインといういろんな形や考え方がある中で、「私たちのデザイン」という一定の基準や考え方をちゃんと定義づけているというのはさすがだなぁと、またまた感動したのでした。

ちょっとした違いで、より生活を豊かにしたり、環境に配慮した生活ができる「素材」について、今日は書きました。
自分が着る服、家具、化粧品、料理道具、まさに様々な物と素材に囲まれている私たちの暮らし。
みなさんは、どんな「素材」が心地よくてお気に入りですか?
私もまだまだ探している途中。小さな感動をたくさんしながら少しずつ自分を知り、「私のお気に入りの定義」を作っていけたらなと思います。

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