伝統の夏の味。
こんばんは、本日も上勝クラシカルのお時間です。
お盆休みに入られた方も多いのではないでしょうか。ニュースでも報道されているように今年は行動制限のないお盆ということで、田舎に帰る方や旅行に行く方も多いでしょう。
いいですねぇ~。くれぐれも体調にはお気をつけて楽しんでください。
さて、前回の記事で、私の会社で行っている介護予防事業の紹介をさせていただきました。
今回も同じ内容になってしまいますが、先日行った介護予防事業のことをお送りしたいと思います。
突然ですが、みなさんは「なすび寿司」って知っていますか?
たまに回転ずし屋さんに行くと握ったシャリの上にナスが乗っているものがありますが、あれではありません。
「なすび寿司」とはちらし寿司の具材がナスだけになったものをイメージしていただけたら一番近いかと思います。
私も上勝町に移住してきてから初めて知ったのですが、毎年今くらいの季節になると食べる郷土料理だそうです。ナスが旬の時期に食べるということですね。
ところが、この「なすび寿司」は郷土料理と言っても上勝町内でも食べるのはごく一部だそうで、同じ町内の人でも食べたこともなければ作ったこともないという人もいるのです。
何とも不思議な料理。
今回は元調理師だった町内の方を講師にお招きして、実際に作ってみました!
参考にレシピも載せますので、気になった方はぜひ作ってみてくださいね!
なすび寿司レシピ
【材料】
6人分
・お米 7合
・ナス 1.5kg(13本くらい)
・ミョウガ 1袋
・塩 50g
・お酢 200cc
・サラダ油 大さじ2
・砂糖 大さじ2
調味料はけんとまく。(「けんとまく」とは阿波弁で目分量ということ。)味を見ながらお好みの味にしてください。お酢は出来れば柚子酢とゆこう酢を半分ずつくらいがいいです。
- まずはお米を炊きましょう。いつもの炊き方でOK。
- ナスを洗って皮をシマシマに剥きます。
- ナスを横に4等分に切って、切ったナスをさらに4等分に切ります。(大体4~5cmくらい)切ったナスは水につけておきましょう。

- ミョウガも縦に細く切っておきます。

- 切ったナスに塩を入れてそのままなじませます。少ししんなりしてきたらしっかりと揉みます。

- 揉んだナスはしっかりと水気を絞っておきます。

- フライパンにサラダ油を熱してナスを炒めます。

- ナスがしんなりしてきたら、ミョウガも入れて炒めます。
- ご飯が炊けたら、あれば寿司桶なければバットや大きいお鍋などにご飯を移して、お酢、砂糖、塩(大さじ2くらい)、炒めたナスとミョウガを入れて混ぜます。味見をしながら全体に味がなじんで来たらできあがり。

本当に具材はナスだけ。それと、薬味のミョウガ。とってもシンプルですが、山ならではの柚子酢とゆこう酢がよく効いた酢飯に炒めたナスとミョウガが爽やかで、この暑い時期に食べやすい味付けです。
今回、私も初めて作ったのですがこんなに簡単だと思っていなくて、しかも味付けもほぼ塩のみ。醤油とかみりんとか入れるのかなぁと思っていましたが、その辺のものは何もなし。だからこそ何杯でも食べられちゃいそうな、素朴な味でとってもおいしかったです。
そして、このなすび寿司の面白いところは作る人によって入れる物や味付けが違うところ。人によってはミョウガは入れずに甘辛く煮たじゃがいもを入れたり、ナスを炒めるときにサラダ油ではなく、ごま油を使ったり。元々家によって作り方が違ったのか、人によってこうしたらもっとおいしいのではと工夫していったのかその辺のことはわかりません。
みなさんもぜひ、自分なりのアレンジでおいしく楽しく食べてみてくださいね!
今の時期、畑をしているお家ではナスやキュウリといった夏野菜ってたくさん出来ると思うんですよね。日に日に同じものばっかり食べてたら飽きてしまうし、かといって捨てるわけにもいかない。そんなときに大量消費メニューとして誰かが思いついたこのなすび寿司が広まっていったのかなぁとか。もしかしたらこの土地ならではのこの料理を食べる歴史的な理由があるのかもしれないし、その辺は謎に包まれたままです。
なんにせよ、この時期に採れるこの土地のものをたくさん食べるということは大切なことです。こうしておいしく食べられる方法を知ることが出来て、また来年もナスの季節がたのしみになりそうです。



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