ポートランドへ行ってきました!
最近出張が多く、お土産でなんとかごまかそうとしていたのですが、先日の妻の投稿でおみやげ作戦すら裏目にでていることを知り、不安を抱えたまま帰国しました。松本です。
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さて、8月3日〜10日までの約一週間、オレゴン州のポートランド州立大学でポートランドのまちづくりを学ぶ、JaLoGoMa (Japanese Local Governance and Management Training Program)というプログラムに参加して来ました!今日はそこで学びを、上勝の町で、自分がどのように活かしていけるのか、少し関連付けて書いてみます。
『未来志向で楽しい問いを創る』
市民参加型のまちづくりとして有名なポートランドですが、それを作り出しているのは、決して住民の意識が他の地域と比べて特筆して高いといったことではなく、巻き込む仕掛けのデザイン力を感じました。例えば、ミルウォキーという市内からすこし離れた町に、新しく鉄道ラインを建設するという際に、「駅をつくる」ことに対する住民意見を集めるのはなく、この駅にどんな「アート」があれば良いかという問いをたてて、住民の意見を集めたそうです。もちろんこれは自治体や開発側からすれば上手く住民の目線をそらせたとも言えますが、未来志向で楽しい問いを創ることで、住民の参加をうまく引き出したとも言えるかと思います。
ダウンタウンと南東郊外のミルウォーキー市をつなぐMAXオレンジライン
アートをいれることで、メンテナンス費の削減にも繋がっているらしい
また、ポートランド市郊外にあるオークグローブ地域を中心とする環境団体、「アーバングリーン」の共同創設者チップスの話を中心にケーススタディからは、全米でもっとも人と自然が共存する駅を創るというチャレンジングな問いを作り出し、結果その駅が住民たちの誇りに繋がっていることを感じました。
ポートランド初のネットゼロステーション、パークアベニュー。
アーバングリーンのメンバー。みなエンジニアのバックグラウンドを持ちながらまちづくりに関わっているのが興味深かった。
もし、上勝にできる新しいゴミステーション、そこにまだもやもやとした住民の気持ちが残っているとしたら、これからみんなが未来を向いて自分ごとにしていけるような、僕らはどんな問いをたてられるだろうか?
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『信頼は巻き込みの前提ではなく、結果である』
ミルウォーキー市の市長を始めとして、このプログラムでは民間、行政、非営利団体様々なセクターにおけるリーダーたちの話を聞く機会がありました。その中で共通して感じたのは、みな合意をとるために説明をしているわけではなく、まずは自分たちどう考えて何をしたいのか、理解してもらうことを大切にする姿勢があること。そのために、しっかりと時間をかけて説明を行い、相手の話にも耳を傾ける。自分の思いが実現することではなく、発言する機会が与えられていることが、信頼を生むと言っていましたが、まさにそのとおりだと思います。
久しぶりにかっこいいリーダーに出会った。今後は国政にチャレンジするそう。
みんなの意見を聞いた最大公約数的なビジョンではなく、必要な人の意見をきちんと聞き、発言する機会を与えて、それを踏まえてリーダーが責任を持って意思決定をする。その意思決定内容についても、納得はされなくとも、理解されるまできちんと説明を行う。当たり前ですが、これが僕が理解した”公平性”ではなく”公正性”に基づいたポートランドの合意形成の意味でした。
今、上勝町でもSDGsをベースとした町のビジョン作りがされています。ベースとしては町民へのインタビュー結果ですが、本当に大切なのは、この委員会を構成する私達が、公正性というレンズを使って、覚悟を持ったビジョンを創りだせるかどうかなのかもしれません。
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Thinking outside the box.
自治体職員、地域おこし協力隊、研究者、起業家、ランドスケープ、大学生、高校生、多様な参加者同士の学びも深かった
海外でのこうしたプログラムに参加する一番の利点は、文字通りいつもの枠の外から見て、感じて、学べることにあると思います。でも、いちばん大事なのは、Doing from the inside.帰ってきて、ここでの学びを、それぞれの立場から、どう自分たちの町に落とし込むのか。一緒に考えることのできる仲間が日本全国にできたこと、これもまた大きな収穫です!始まりは小さく、でも大きな理想を描いて、また今日から頑張りましょう!
最後は卒業式、なんとかみんなで卒業できました!
さあ、ここまでで興味をもったあなた、来年もJalogomaプログラム開催されるそうですので、ぜひ参加してみてください。美味しいビールがある!お洒落お店がたくさんある!だけではもったいない、もう少し深く、全米で住みたい町ナンバー1のポートランドで何が起こっているのか、学んでみませんか?


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