季節を先取りするお仕事。

冬にしてはあたたかい。
朝晩は寒いですが、日中は冬なのかな?と疑うほど暖かい日もある上勝町です。
(と思ったら、記事を書いている時にふと外を見ると雪がちらついていました)

さて、今回のクラシカルでは「春」をお届けします。
いやいや、まだ冬真っ只中だよと思ったそこのあなた。
そうです、今はまだ冬です。
でも、冬の間に春をお届けする仕事が上勝町にはあります。
みなさんもご存知の“葉っぱビジネス いろどり”。
料亭や高級レストランに行くと、お料理の横に葉っぱや花が添えられていますよね。それを“つまもの”と呼ぶんですが、その“つまもの”を上勝町では葉っぱビジネス いろどりとして全国に出荷しています。

詳しいことを知りたい方はこちらから⇩

[blogcard url=”https://www.irodori.co.jp/”]

私も以前からいろどりのお仕事をお手伝いさせてもらっているので、今回はその様子を少しだけお伝えしたいと思います。

「春」をお届けしますと書きましたが、“つまもの”に使われる葉っぱや花は季節を先取りしなくてはいけません。
桜が咲いてから出荷しても、料亭でお皿に乗る頃には花は散ってしまいますし、なにより料亭などでお客様が楽しみにするのは、非日常。
春の季節に春を感じられるのは、当たり前のことですよね。町中でも桜が咲き誇り、どこでも春を感じることができます。
しかし、さむ〜い冬に美味しいご飯を食べに行ったら、そこでお皿の上には梅や桜が咲き誇っている。これは非日常。一気に気分は春のように華やかになり、なんだかあたたかい気持ちになりますよね。
それを演出するのが“いろどり”なんです。


春っていいですよね〜。

ということで、今の時期上勝町のいろどり農家さんは、梅や早咲きの桜を出荷しています。
もちろんその他にも1年中出荷している南天の葉っぱや、2月の節分に合わせてひいらぎの葉っぱなどなどたくさんの葉っぱや花を日々出荷しています。

 
こちらは啓翁桜と寒桜

ところで冬の寒い中、どうやって桜や梅を出荷しているの?まだ蕾もふくらんでないんじゃない?と思いますよね。
梅なら12月ごろ、桜なら1月中旬あたりに(つぼみの様子にもよりますが)枝を切ってきて、ボイラーで暖かくしたビニールハウスの中に入れます。
ビニールハウスの中で、水に浸けられた梅や桜は徐々につぼみが膨らみ、つぼみから花が見えるか見えないかのところで出荷をします。
つぼみが開きすぎても料亭に着く頃には咲いて散ってしまうし、つぼみが固すぎても、花が開くのに時間がかかりすぎてしまうためちょうどいい出荷時期を見計らうのが難しいところ。


梅のとてもいい香りに包まれて幸せ気分〜

冬のこの時期の出荷作業は花の香りがふわ〜っと香り、作業をしていてもとても心地いいものです。

そして、私がいろどりの仕事をお手伝いさせてもらっている中で一番好きな時は、モノレールに乗って葉っぱや花を収穫しに行く時。
“モノレール”と聞いて、東京から来た私は「モノレール?!(頭の中では完全にお台場などを走ってるモノレールが浮かんでました)上勝に?!」と思っていたのですが、実際は山の斜面を走るトロッコのような感じ。
山の間にレールを設置して、そこをモノレールが走っていきます。車が入れないような山や、山を歩くのが大変な高齢者にはとてもいい仕組みですね。
モノレールでどんどん山を上がっていくと町や川を見下ろすことができ、晴れの日なんかはとても気持ちいいんです。
この時間がすごく好きです。


ちょっとぶれていますが、モノレールはこんな感じで山の中を進んでいきます


上勝の町がどんどん小さくなっていく。モノレールに乗りながらいいところだなぁとしみじみ感じる

上勝の季節を感じることができるいろどりのお仕事は、上勝の良さを改めて実感することができ、ここで生きてるということを思わせてくれます。
いろどり農家は高齢者が多く、なかなか難しいところもあるようですが、いろどりのお仕事をしている時のみなさんの生き生きとした表情を見ると嬉しくなります。

今回は上勝町のいろどりの農家さんの「春」をお届けするお仕事をお伝えさせていただきましたが、いろどりでは同じように「秋」の先取りや年末のお正月商品の猛烈に忙しい出荷などなどもあるので、今後もまたお伝えさせていただきたいと思います。

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