人が交差するこの町で

早いもので2月も1週間を過ぎました。
本来の2月の上勝町は雪が降ったり、水が凍ったり、道が凍結したり…
そんな景色が見られるのですが、なんといっても今年は暖冬。
いつもの2月と比べれば考えられないほど暖かいです。

町内では梅も咲き始め、少しずつ春に近づいている気配も感じられます。

春といえばよく言われるのが「出会いと別れの季節」。
2つ前の記事でも禰津くんが上勝を旅立つ記事を書いてくれました。

上勝から、僕は新しい旅に出る

上勝町に住んで4年目になりますが、実際人の出入りが多いなと思うようになりました。
それが良いとか悪いとかではなく、たぶん町の人の出入りが身近で感じられるからなのかなとも思います。
東京に住んでいたら誰かが新たに住みだして、誰かが出て行った。なんてことは微塵も感じることはありません。
でも、この町では職場や学校なんて関係なく日常の中ですごく身近に感じます。

ご存知の通り、上勝町は人口が少ないです。
そのため、1人が何役も担っているということが多いのが現状。
仕事で関わっていた人が次の日には別のイベントにいる。たまたま飲み会の場でも顔を合わせ、休みの日に地域の行事で一緒になる。そんなことはよくあること。
だから、1人の人と日常的に関わることが自然と増えていくのです。

と、こんな記事を今回書こうと思ったのは、私がこの町に来て唯一親友と言えるほどの関係になれた友達が町を離れることになったからです。

彼女とは一緒に仕事をしたり

バンドをしたり

2人で漫才をしたこともあったし

 

彼女の結婚式を上勝町で行ったり。いや、ここには書ききれないほどたくさんの時間を一緒に過ごしました。

   

同じ年でなんでも話し合える友達が上勝町で見つかるとは思ってもいなかったので、とても嬉しかったです。
彼女がこの町から遠く離れた地で暮らすことになると知った時、一番最初に感じたのは寂しい。ということ。
これからこんなことしよう!こんなのも面白いかもなんてこの先も当たり前のように上勝で一緒に過ごしていく話をしていた矢先だったので、ぽっかり穴があくとはこのことか。と思ったほどです。

でも、彼女は結婚をし、子どもが生まれて母親となり、この町を離れる。
それは寂しいとか、悲しいことではなく、今までの人生とはまた違う道を歩み始める。それは決して楽な道ではない。その選択をした彼女を私が応援しないで誰が応援するんだ!と日を追うごとに思うようになりました。

上勝町を離れる人たちは皆、次のステップへ進むために離れていきます。
この町でそれぞれ守りたいもの、挑戦したいことを見つけたからだと思います。
一緒に過ごしたからこそ応援したい、私はそう思います。
でもそれは私だけでなく、町内の人たちも「寂しいけど、次の場所でもがんばってね」そう笑顔で声をかけてくれる人が多いように感じます。

上勝町で暮らしていると、町の住民との関係が部活の合宿に来ているような“町民”というより1つの“団体”という感覚になることがあります。
仕事でも遊びでも、イベントでも飲み会でも、真面目な会合でも道端でも様々な場所で会えるという生活に密接した人間関係がそう思わせるんだろうなと思います。

上勝町から人が1人いなくなるということはとても大きなことです。
どんな人間であっても、同じ役割を担える代わりはなかなかいません。
でも、町にはまた新たな人がやってきてまた新しいものが生まれていく。
それは大きな町でも小さな町でも同じなのかもしれない。
その中で変わっていくもの、変わらないものがある。
こうして1つの町は成り立っているのだと、実感させてくれました。

さいごに

でもまたいつでも帰っておいで。
みんな待ってる。

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