つまり私が言いたいことは。

ちわっ。なにかとバタバタする年度末、皆さま如何お過ごしでしょうか。

学生は試験真っ只中。出会いと別れの季節。私の知り合いも何人か志し高く新たな場所へと旅立っていきます。皆、いってらっしゃい。絶対帰ってくるなよ。

たまに過去を懐かしいと思いませんか。
昔、自分がいた場所の人に会いたいと思ったり、会ったら懐かしい思い出話に花が咲く。なんてのも悪くない。

実際、今でもお付き合いしてもらえる佐川急便時代の先輩もいます。有難い。

今年で佐川を辞めてから10年になる。
料理を始めてからも10年って事にもなる。
長いようで短い、あっと言う間だった。
佐川でトラックに乗っていたお陰で大きな車も普通に運転できる。
営業もしてたお陰で初対面でも喋り倒せるようになった。

東京に出た時、行き当たりでも何とかなる事を知った。
東京の人達は優しいって事も分かった。
お金がなくて電気と水道が止まった時は(1ヶ月)姿鏡でベランダから月を拾って本を読んだし、駅のトイレで頭を洗ってた。
昼間働いて深夜の派遣の仕分けなんかしながら食いつないだ。まじひもじい生活。
料理もちょっとずつ出来るようになり、
なにより誰より鍋磨きが得意だった(磨きすぎだと怒られた)

今思えば無駄な事は無かったとつくづく思う。
トラックに乗ってたおかげで引越しの時は重宝されるし、お客様と話するのも得意な方になれた。
東京に行った時は寄るとこが出来たし、水道が4日凍って断水したときもうろたえなかった。(むしろちょっと楽しかった)

辞めれるというのは有難い事だとも思う。

いつも送り出してくれる友人、同僚、先輩がいる。

なので僕は帰れないと思っている。
不自由な生き方だと思われるかもしれないが寄るとこはあるが帰る場所はない。
昔、東京を離れる時に当時のシェフに自分いなくても大丈夫ですか、なんて今思えばふざけた事を言ったのを鮮明に覚えている。その時は強烈に怒られた。

「なに自惚れちゃってんの。お前の代わりなんか腐る程いるんだよ」

すげー凹んだ。
でも今思えば凄く優しい言葉で、逆に自分の居場所は自分で作るしかないと思ったし、自分の未来を決めるのも自分しかいないんだなと。

学生時代は本当に勉強をしてこなかったお陰で普通科高校を下から2番目で卒業した時は、当時はどうなることかと思ったと久しぶりに会った先生に聞いた。

今思えばもっと勉強して、ちょっといい大学に入れば人生変わってたのかもしれない。敢えて厳しい道を選んだのも勉強をしてない自分には何か”手に職”がないと生きて行けないと何処かで悟っていたような気がする。

[必要とされなければ生きてはいけない]

これも凄く厳しい言葉だ。僕が学んだ厨房という社会は得てしてこれがスローガンのように掲げられた戦場だった。入っては去り、入っては去りする中でなんとか生きてこれた。辞めたら帰る場所が無いからだ。

と、いうか帰る場所を用意した上でのチャレンジなんてなんの面白みも無いし、する意味もない。あれが嫌だこれが嫌だと言う前に自分自身はどうなんだ。と常に投げかけられている気分になる場所だった。

と、柄にもなくちょっと真面目なトーンで話してしまいましたが、この時期はそんな気分になるよね。わかる。上勝町は人口が少ない分コミュニティがギュッとしてて誰かが去ると、凄い損失が出たみたいに感じがち。

去る側からすると堪らなくこれが後ろ髪引かれるように感じるんだろうな。
知らんけど。

これからチャレンジする方も是非頑張って欲しい。
知らんけど。

イチロー選手がマーリンズに移籍する時に言った、
「新しい場所に行って、新しいユニフォームを着てプレーする事に決まりましたがこれからも応援宜しくお願いします。とは、僕は絶対に言いません。
応援して頂けような選手であるために、自分がやらなければならない事を続けていく。という事をお約束します。」

てな訳で、皆さま頑張ってください。僕も頑張ります。

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表原平（Tira Omotehara）　twitter  Instagram
1989年7月に徳島県徳島市(厳密には小松島の日赤病院)に生まれ。小中高と野球漬けの日々。21歳の時に料理人を志し、上京。東京で数店舗、その後淡路島野島スコーラを経て、2014年の12月に上勝町でペルトナーレをオープン。29歳。[/su_column][/su_row]

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ペルトナーレ(pertornare）　Facebook  Instagram
所在地／徳島県勝浦郡上勝町福原字平間62番地
営業時間／ランチ　　12:00～15:00（L.O14:00）
ディナー　完全予約制（前日までの予約）
定休日／月曜日　電話／080-3165-7153[/su_column][/su_row]